好き!!好き!!Books

本は確実に人生を豊かにする!読書が好きな著者が、日々読んだ本を紹介していきます。この中に、あなたの人生を変える一冊があるかも...?

『君の膵臓を食べたい』~あらすじ①~今、愛について考えてみませんか?

今、愛について考えてみませんか?

『君の膵臓を食べたい』住野よる 

f:id:thebookchang:20171218180419j:plain

映画化もして、大変話題になった小説ですね!映画の方は観ていないのですが、『泣けたー!』という友人の紹介で、小説の方は読んでみました。

 

一読して、皆さんに伝えたい事は一つ。

 

本気で恋愛しろ!!!!!!!!ごめんなさい。つい、勢いが過ぎました。

 

青い中高生にも、チャラっけのある大学生にも、お洒落でトレンディーなOLさんやサラリーマン達にも、既に愛を知っている人にも、色んな人に伝えたい。

 

“愛”について、今一度考えてみませんか?

 

【あらすじ】~私の見解も含みます~

この物語の主人公である、“僕”は、病院で、“共病文庫”という一冊の本を拾います。それは、同じクラスの女子、“山内桜良(やまうちさくら)”が書いている日記帳でした。共病文庫には、彼女が膵臓を患っていて、余命が幾何も無いことが書かれていました。彼女は共病文庫を、自分が死ぬまで自分以外の誰にも見せない、と決めていたのですが、“僕”に偶然読まれてしまい、“僕”とだけ、大病と日記の存在という秘密を共有することにします。(この小説の中で、主人公“僕”の名前は最後まで明かされていません。

 

山内桜良は極めて明朗な性格で、いわゆるクラスの人気者です。“僕”いわく、絶世の美少女というわけでは無いのですが、目鼻立ちがはっきりとした顔立ちをしている、“可愛い”部類に入る少女です。(作中で、“僕”は彼女のことを、クラスで三番目に可愛いと言っています。)愛想がよく、コミュニケーション能力が高く、よく笑い、悲しい出来事には涙を流したり、時には正義感を発揮する場面もあったり、喜怒哀楽や感情表現が豊かで皆から愛される人です。対して、“僕”は、一般的に言えば、地味で目立たない少年です。友達がおらず、そもそも他人への関心が薄いため、人には極力干渉しません。ちょっと理屈っぽいところがあり、考えなしな発言などを小馬鹿にする一面があります。感情表現も乏しく、心は閉鎖的で、友達も居ません。小説が趣味で、独自の世界を大切にしています。(悪い言い方をすれば、自分の世界に閉じこもっている、と言えます。)内に秘めている意思や、感情はしっかりしていますが、それを他人と共有することはなく、いつも“誰か”ではなく、自分の内面と向き合っている人です。二人は、“共病文庫”というきっかけが無ければ、会話を交わすことすら、ほぼ無い関係でした。

 

山内桜良は、共病文庫をきっかけに、“僕”に興味を持ち始めます。彼女にとって、“僕”は、“病気という真実を知りながらも、彼女と日常をやってくれる唯一の存在”でした。家族は、彼女の発言一つ一つに過剰反応して、日常を取り繕うのに必死になっているし、友達に教えたら同じくそうなってしまうだろう。逆に、医者は病気の現状という真実だけしか与えてくれない。真実を知りながらも、過剰に動揺したり、同情したり、悲しんだりすることなく彼女と接し、彼女と日常を過ごせる唯一の存在である“僕”は、一緒に居て気が楽で、興味を引く存在だったのだと思います(全く性格な正反対が面白かった、ということも理由の一つだったと思います)。

 

山内桜良は、“死ぬまでにやりたいことをやる”、という目的で、“僕”を焼肉へ誘い、買い物へ誘い、旅行へ誘い・・・。“僕”を、彼が今まで全く体験したことの無かった世界へと、いわば強引に引き込んでいきます。彼女の強引さ、奔放さ、闊達さ、ちょっと論理性に欠ける思考、たまの図々しい発言、ハツラツとした笑い声は、最初、“僕”にとっては鬱陶しいものでした。しかし、同じ時間を重ねていくに連れ、彼女の考えていることを無意識的に予想(妄想、に近いかな?)してしまったり、自分とは全く正反対な性格や行動に、徐々に尊敬のような感情を抱き始めるのです。

 

“僕”は、彼女のリュックの中をたまたま見てしまった時に見つけた大量の薬剤や、彼女自身の“死”に関する発言などから、“彼女は死が迫っている人間”なのだ、ということを度々実感させられます。しかし、あまりに彼女が明るくひょうきんで、ハツラツとしているため、現実と、目の前の彼女の姿の不釣り合いさに、“彼女は余命が幾何もないのだ”という認識が不安定になっていきます。(ごめんなさい、表現が不適切かも;;)

 

タイプが真逆、というか、度を超えて真逆な2人がどういう訳か、かなり親密にしているようだ、という噂は学校内に広まっていきます。(彼女に好意を抱いている人物から、“僕”は軽くいじめを受けたりもします。)山内咲良の親友、“恭子”も、得たいの知れない“僕”と、不可解な二人の関係性に不審感を抱き、ちょっぴり“僕”に敵意を向けてくるようになります。

 

続きます。